岡田惠和脚本の朝ドラに懸念すること
岡田惠和脚本で好きなドラマがたくさんあります。
最近だと「泣くな、はらちゃん」「ど根性ガエル」などですが、私がドラマを見るにおいて脚本家を意識し始めたきっかけは「天気予報の恋人」でした。
最近の岡田作品の特徴は、「みんないい人」。多少悪い人でも事情があったりして、結局みんないい人。だから見ていて嫌な気分になることが少ないのだと思います。
現在放送中の「連続テレビ小説 ひよっこ」でも、そういう場面が多々あります。
聖火リレーをしたいというみね子たちに最初は高圧的だった青年団が結局は協力してくれる。
就職した工場はあれだけ女が集まっているのに陰湿ないじめひとつない。
すずふり亭では就職した途端「客だったときと同じ扱いだと思うな」とばかりにしごかれるのかと思ったのに、やっぱり従業員全員がみね子の味方。
アパートでは最初から薄々分かっていたことだけど、つんけんしつつもシシドカフカはやっぱりいい人*1。
しかし、そのせいで過去に腑に落ちなかったことがひとつ。
2011年の「連続テレビ小説 おひさま」で主人公の夫がいなくなって、すわ不倫か、と思ったら結局は人助けをしていたという下り。
あのころ主人公と一緒に毎朝やきもきしていたのに、事情が事情だけに一方的に夫を責めることもできずにもやもやしたのがすごく印象に残っています。
「ひよっこ」も主人公の父親が失踪して、家族は混乱し人生を狂わされ辛い思いをしているのだけど、今までの傾向からすると結局父親は許されてしまうんじゃないかという気がしてなりません。そこは佳乃にがつんと言ってほしい。どんな事情があろうとも、父親の代わりに自分の意に反して出稼ぎに行った娘のために。