2014年に観た映画
私は映画観賞の記録に、KINENOTEというサイトを利用しています。
どこで観たか、誰と観たかなどのほか、自分の評点やレビュー(公開・非公開選択可)も記録できます。
大体映画は一人で観る私にとっては「誰と観たか」ってどうでもいいんですけど、いつもこの項目を選択するとき、(浮気している人が話の辻褄を合わせるため用かなあ)と思ってしまいます。
私の今年の鑑賞本数は、30本+KINENOTEに載っていなかった短編数本。
一応毎年目標は「週1本≒年50本」なのですが……
そんな中から、私的評点ベスト5を紹介します。
ちなみに私はあまり映画を封切館で観ることがなく、名画座かDVDが多いのですが、見事に上位5本はすべて早稲田松竹で観たものでした。
なので、公開年が今年とは限りません。
同率1位 100点
「タイピスト!」(フランス・2013年公開)
1950年代のフランスを舞台に描く、タイプライター早打ち大会の優勝を目指す若い秘書のサクセス・ストーリー。
簡単に内容を言うと「努力、愛情、勝利」というジャンプの標語のようですが、展開の子気味良さとレトロポップなファッションが惹きつけます。
今思うと、満点はつけすぎな気もしますが、観た直後にはそんな気にさせる「ソツのない」娯楽映画という感じ。
「ポー川のひかり」(イタリア・2009年公開)
学問に疑問を感じた大学教授が田舎の川岸に住み着き、やがて地元の人たちから“キリストさん”と親しまれていくが、現実は彼を逃さなかった……。
哲学的命題を寓話的に表したヒューマンドラマ。こういう作品を観る度、「無宗教で生きている自分」と向き合わずにはいられません。
「ウォールフラワー」(アメリカ・2013年公開)
1980年代のナイーブな高校生たちの青春ドラマ。
正直内容は数々の青春映画の名作とどこかかぶっているような気もしますし、比較してそれらよりうまく描けているかと言えばそうでもない。
でも、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」のローガン・ラーマン、「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン、「少年は残酷な弓を射る」のエズラ・ミラーという若手スターが放つ存在感と、映画全体を彩る当時のヒットナンバーの魅力で満足できます。
「ロッキー・ホラー・ショー」をパフォーマンス付きで上映している光景もあり、興味深かったです。
同率2位 90点
「ダラス・バイヤーズクラブ」(アメリカ・2014年公開)
1985年、HIV陽性と診断された電気工が、アメリカで未認可の医薬品をメキシコから密輸し、エイズ患者たちに提供する非合法組織を作った実話を映画化。
主人公はドラッグ、セックスもやりたい放題の、決して品のいい男ではないのですが、“必要としている人に必要な薬を届ける”という人道的理念を貫くのがかっこいい。
彼の片腕として働く同じくHIVに感染しているトランスセクシャルの男性がとても繊細で、どちらかというとこちらに感情移入して観ていました。
「怪しい彼女」(韓国・2014年公開)
超毒舌のお婆ちゃんが二十歳の頃の姿に戻ってしまい繰り広げるコメディ。
あれよあれよとバンドのボーカルとしてアイドルのようになっていく様はマンガ的で、気楽に楽しむ映画だと思いますが、実は小さな伏線が丁寧に回収されていくシナリオが秀逸。“紙コップのコーヒー”のシーンはハッとしました。
ヒロインは見た目は二十歳でも中身は70歳なので、50年前のレトロ・ファッション好きなのですが、演じている女優さんがいかにも最近の韓国美女というよりは、親しみを感じる容姿でキュートに着こなしているのも見どころです。