「ミュージカル バイオハザード~ヴォイス・オブ・ガイア~」2016/10/11夜 感想 (2016/11/18追記)

musical-biohazard.com

 あらすじは公式サイトから。

アドリア海沿岸のとある城塞都市。過去の記憶を失くしたリサ・マーチン(柚希礼音)は、食料調達に出かけた仲間たちの帰りを待っていた。

 

周りを囲む“奴ら”から逃れ、命からがら戻れたのはたった2人、その片割れのマルコ(KYOHEI)が“奴ら”に噛まれていた。

 

絶望が広がる中、唯一の生き残りロブロ(平間壮一)が、噛まれても生きている少女が地中海の小島にいるらしいと告げる。

医師ダンギブソン(渡辺大輔)はその少女の抗体から血清を作ることを提案。

ダンとロブロ、空軍オタクのゼルグ(有川マコト)が小島へ向かうことに。

 

出発の時、“奴ら”の目を逸らすため、音楽家ロベルト(海宝直人/村井成仁)を中心に演奏を行う。

3人を上手く出発させたと思いきや、奴らは暴れ出して住民を襲う。

リサと武闘派のチャベス(横田栄司)がどうにか退治するが、チャベスの愛息ジルマが噛まれてしまった。

2日以内に血清を打たなければ!リサとチャベスはジルマをつれて小島を目指す。

その途中、空軍基地でリサはモーリス・グリーン大佐(吉野圭吾)と軍医ジョー・ナッグス(壤晴彦)から意外な自分の過去を知る…。

 

果たしてリサたちは血清を手に入れ、世界を救うことができるのか?

 

ゲームや映画の予備知識ゼロで観劇しました。正直、おどろおどろしいゾンビものというイメージだったので、なぜそれをミュージカルに? ゾンビが歌ったり踊ったりするの? という若干怖いもの見たさもあったのですが……。

結果、めちゃめちゃよかった! 人間ドラマとして見応えがありました。もっと荒唐無稽な話かと思ったら、ちょっとしたやりとりが後の伏線になっていて、ほとんど疑問の残らないしっかりした構成でした。

あ、ゾンビは歌いませんが踊ります。キレッキレです。

東京公演のロベルト役・海宝直人さんの最後のソロが素晴らしくて、ブラックホールがすべてのものを吸い込むように、劇場全体を掌握するような存在感でした。ノートルダム見られますように(-人-)*1

 

他はネタバレになるので、大阪公演が終わってから加筆・修正します。

 

以下追記。

 

ストーリーについて、いくつか。

途中で出てくるクジラはザトウクジラ(通称・歌うクジラ)だと思ったのですが、合っているかな? あれが“ヴォイス・オブ・ガイア”なのかと気づいた瞬間の腑に落ち具合! あのシーンの壮大な演出も相まってうわあああああ! ってなりました。

 

あとラストなんですけど、結局パンデミックの原因はうやむやでしたよね? あの状況だとリサがいちばん怪しいんですけどね。

ゲームとか映画のストーリーは分かりませんが、パニックものは身勝手な人間(個人もしくは組織)のせいで凶暴化した生物などが人類を脅かし、ヒーロー・ヒロインが危機を救い、元凶は罰され、“人類と自然の調和”みたいなメッセージを訴えるという構図がまあ多いと思うのですが、このミュージカルは“身勝手な人間”に当たる悪が出てこない。別に勧善懲悪じゃないからつまらないということもなく、ただ不思議な作品だな、と思いました。

もしかして謎解きの続編があるのかな? とも思ったのですが、大阪公演が終わっても特にアナウンスされていないようで。

 

ちょっと疑問に感じたのは、リサもてすぎじゃない? 特に年下からwさすがにあの設定は笑うw

あと、どうやって海の上でクジラから血液採ったんだよとか思うけど、宝塚のスターならそれくらいできるかなって思わせるから、カリスマ性って大事ですね。

 

*1:劇団四季のキャストは週ごとに発表されるので、チケットは数ヶ月前に発売してもいつ誰が出演するかは直前にならないと分からない