【ネタバレ】劇団四季ミュージカル「ノートルダムの鐘」 内容にちょっと踏み込んだ感想(エスメラルダ寄り)
※思いっきりクライマックスのネタバレを含みますので未見の方は読まない方がよろしいかと。
あれから2回見ました。フィーバス、エスメラルダ、クロパンは全キャストにあたりましたが、カジモドとフロローは全部海宝さんと野中さんでした……。
表題通り、エスメラルダについてです。
宮田さんのエスメラルダはエキゾチックで、一瞬で3人の男の運命を狂わせるファム・ファタール的な説得力がありました。
一方の岡村さんは、ディズニー・ヒロインらしい可憐な少女のようなエスメラルダです。ちなみに原作によると彼女は16歳という設定なので間違っていません。
魅力的に感じるのは宮田エスメラルダなんだけど、琴線に触れたのは岡村エスメラルダでした。
エスメラルダはフロロー、フィーバス、カジモドから一緒に暮らそうと求愛されますが、すべて断っています(ただしフィーバスは自分がジプシーの旅団に加わることを提案して受け入れられる)。
エスメラルダにとって男と一緒に家に住むことは、束縛や支配されることを意味するのだと思います。
それなのに教会で息を引き取る間際カジモドに「ここは君の家」と言われると、彼女はそれを受け入れます。
このシーンで、岡村さんのときだけ涙が止まらなくなって、それから1週間くらいふとしたときに思い出して涙腺が熱くなるくらい印象に残りました。今もこの文章を打ちながらうるうるとしています。
やっぱり死に直面するとどんな人も弱気になるのかな、などと考えていたのですが、もしかしたら、カジモドはどんな状況でも彼女を支配するようなことはないと最後に確信したのかな、と思うようになりました。
どんな結論も曖昧で正確ではあり得ません。
「ノートルダムの鐘」は本当に複雑で崇高で奇跡のようなラブストーリーです。
何回観ても何回でも新鮮な感動を受けます。
どうしても言語化して留めておきたかったので、今更ですが文章にしました。