「妄想歌謡劇 上を下へのジレッタ」感想

これを書いたのは5/16の観劇後です。その後東京公演終盤にも観ましたが、印象はあまり変わりませんでした。

 

真っ先に思ったのは、なぜこの仕事を受けたのかってことです。

冒頭からいきなり歌っているのですが、音程も怪しいし抑揚がまったくない。センターで歌っている姿が痛々しくすら感じました。こんなの分かり切っていたことなのに。

音量は上がっていました。ちゃんとボイトレ行ったのかな。そんな付け焼き刃の練習で開幕までにいっぱしのミュージカル俳優並みに歌えるようになると思ったのでしょうか。

トランペットもツアーに向けて練習したと言いつつ全っ然吹けてないのに、「侯くん、よくできました(はあと)」みたいな空気になっていてぞっとしたのですが、あれはほぼファンしかいないコンサートだから、そういうのもしょうがない。

でも、これは外部舞台なんですよ。演出家や他キャスト、原作のファンも来ている……て思ったけどチケットはジャニーズファンで瞬殺*1だったようなので大丈夫か。

とにかく、初っ端からこの仕事を彼に与えた事務所にものすごい不信感と嫌悪感を抱いて、素直に楽しめなかったというのが率直な感想です。

 

あとダンスもまったくキレがなかった。これは上田くんの「新世界ロマンスオーケストラ」を観たときも思ったのだけど、ジャニーズだからって踊れると思うなよ、と全演出家の皆さんに周知徹底しておくべき。

 

芝居はキャラクターにすごく合っていました。映像だと標準語のイントネーションが気になるけど、舞台だと自然に聞こえるし。演技や門前という役へのハマり方にはまったく文句はないので、これがストレートプレイだったら、彼だけでも歌わない役だったら、と思わずにいられません。

 

他のキャストは皆さんめちゃめちゃ素晴らしかった。特に言うとしたら浜野さん。歌はバンドの歌い方じゃなくて完全にミュージカル俳優のそれでびっくりしました。

 

トーリーはおもしろかったです。ああ、こういう発想か、こういうオチかって、ラストのワクワク感は最高でした。