宝塚歌劇 星組公演 ミュージカル「THE SCARLET PIMPERNEL」2017/6/1 18:30 感想
ずいぶん日が経ってしまいましたので、思い出しながら要点だけ。
まず、とにかくストーリーがおもしろい!
フランス革命を革命派から描いた「1789」の数年後が舞台で、革命政府の恐怖政治を貴族の視点で描いたのが本作。同じ歴史的事実を違う角度から捉えると印象が変わるというのが興味深い。でも本筋は政治や歴史ではなく人道的なヒーローの話なので、肩肘張らずに楽しめました。
そしてお目当てのあーちゃんこと綺咲愛里さん。
お顔がかわいいのは相変わらずなんですけど、パンフレットの小池大先生のコメント
アイドル系のルックスに拘わらず、落ち着いた演技力を持っている
が本当にもうそれな。
前作「オーム・シャンティ・オーム」では秘密を持った映画女優役で、本作では過去を隠して結婚する舞台女優という設定だったのですが、「女優」って華やかな美貌と演技で人を欺くプロであり、そういう影のある美女役がしっくりと来るんですよ。ちなみに梅芸のOSOを挟んで次回作の「ベルリン、わが愛」でも女優役っぽい。
OSOのときはひたすら(かわいい! かわいい!)て思っていたけど、今回はそれ以上に役者としての総合的な魅力に平伏しました。それでもインタビューではとても謙虚なコメントをするので応援せざるを得ない。愛里かわいいよ愛里。
あと劇場ロビーのヒガシマル醤油の広告が、嫁にしたいジェンヌ総選挙1位すぎる。
そして、男役トップスターの紅ゆずるさん。
正直、宝塚を何作観ても男役に対しては(かっこいいなー)くらいにしか思わなくて、演技の違いとか個性とかが気になったことがなかったのですが、初めて(この人! 全然違う!)と思いました。
本作の主人公パーシーというのが、普段はおちゃらけたイギリス貴族だが、正体を隠して“スカーレット・ピンパーネル”を名乗り、無実の罪で処刑されるフランスの貴族を救い出していた……という役。この二つの顔の演じ分けが見事で、まんまとギャップにやられました。調べたら紅さんは元々コメディ演技に定評があるらしく、その一方、すらっとした長身にクールな表情が男前な方なので、パーシーという役が本当にはまっていました。
観たのがたまたまイープラスの貸切公演だったのですが、芝居の中でイープラスボケをいっぱい入れてきて、(こんなことしていいの?)とこっちが心配になるくらい。たとえば、
「舞踏会のチケットは持っているのか? まだならイープラスで頼むといい」
とか(ニュアンス)。アドリブを言われた方は一切表情変えずリアクションもせず流すっていうのがマナーなのかな? 紅さんがハイテンションで「イープラス」を連呼するのを全員が無視している様子がシュールでおもしろすぎた。宝塚おもしろいぞ。
かっこいいのに笑いにも積極的って、これってジャニーズじゃない? お茶会*1絶対おもしろそう。まあお茶会は行けないけど、ソロコンがあったら行きたい。
舞台の感想ここまで。
「月刊TVnavi 8月号」の連載「イケメンがなきゃ生きていけない!」のページに紅さんが登場しているのですが、「相手になった娘役に指輪を贈る」というエピソード*2、やばいですね。宝塚を観るようになって初めて推したいと思った娘役と、初めて男役の魅力を知らしめてくれた男役が、フィアンセばりに仲良くコンビでトップを務めている組が存在するなんて私は幸せです。遠征をできるだけ避けて生きている私が次回は大劇場に行こうと割と真剣に画策中なのですが、2018年台湾公演だと……?