ジャニーさんの永年の夢だったらしい養成所の話

これまで数多のタレントを養成してきたのに今更? という感が拭えないのですが。

 

養成所というと極論3パターンに分けられると思うのですが、1つ目は宝塚音楽学校防衛大学校のように卒業後の進路がほぼ決まっていてその道のプロを育成するタイプ。入学するのが超難関だったり、将来はエリートコースが約束されていたりします。ちなみに授業料は、音校は授業料を含む入学時納入金額が80万円*1なのでそこまで高くないですし(授業料以外にかかるという話はとりあえず置いておく)、防大に至っては授業料は無料で逆に給料がもらえます。

2つ目は吉本興業NSCや子役の養成所のようなタイプ。簡単な審査で入れて、授業料はまあまあ取られるけどそれを回収できるのは万に一つの確率。ぶっちゃけ事務所にとって確実な収入源になっています。

3つ目は、芸能界ではいちばんこのタイプが多い気がするのですが、これらの中間タイプ。入学審査はそこそこ難しいけど、卒業してもオーディションに受からなければ役(仕事)はもらえない。事務所もそれなりに期待して人材を集めるけど、後は実力次第。劇団四季や一般的な俳優養成所はこんなイメージ。

 

ジャニーズ事務所は元々3つ目のタイプで、なおかつレッスン料を取らないというのが業界では珍しいことだと聞いたことがあるのですが、改めて養成所を設立すると知って2つ目のようになるのではないかという不安が拭えません。ジャニーズブランドの安売りとでも言うか。

 

で、実際の養成所の構想はスポーツ紙の記事を参照すると。

 

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これまで、事務所内にレッスンスタジオなどはあったが、主に歌やダンスなどパフォーマンス力を向上させるためのものだった。滝沢の引退後、Jrメンバーの育成やプロデュースなどに特化したジャニーズ事務所のグループ会社が作られる予定。ジャニー氏は「タレントたちにとって必要な基礎と応用の全てに対応出来る場所を作りたいと考えて温めてきた構想がいよいよ形になります」としており、滝沢の所属先となるグループ会社も構想の一環とみられる。将来的には語学をはじめとする勉学など、内面も含めて磨く機関を設けていくようだ。

 

これだと現時点で所属しているJr.が対象のように見えますが、彼らにしたら「もう基礎はいいからデビューさせてくれよ」という感じだろうし、養成所が東京にできるとしたら関西Jr.は切り捨てかい、ということになりかねない。

また、養成所が設立されたら、「履歴書を送って数年後に突然呼び出された」とか「オーディション当日に『You出ちゃいなよ』と言われて舞台に上げられた」とか「オーディション後なにも言われなかったのでもう一度応募したら『You受かってるのになんでまた来たの?』と言われた」とか、今までのような不透明な採用制度はなくなるんでしょうね! それはそれでつまらない。

 

結局、養成所をつくっても、養成後の進路を明示しないと意味ないと思うんですよねー。個人的には宝塚や四季のように常設劇場を持って定期公演をしてほしいですけど、CDデビューがすべてだと思っているJr.にとっては、それを明確にすることの方が酷なのかも知れません。