【ネタバレ】「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサートを観に行って知らない作曲家に興味を持った話

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小説は読んでいません。

ストーリーはざっくり言うと、あるピアノコンクールに無名の新星が現れ、型破りだけど素晴らしい演奏を披露して他の出場者や審査員、観客たちみんな動揺するけど感動、みたいな感じです。

 

リーディング・コンサートなのでその様子をストーリーテイラーの方が言葉で説明してくれるんですけど、それなら小説で読めばいいじゃんて話で。

ピアノはピアニストの方が演奏するのですが、言葉で表現されているような演奏なのかどうかは、音楽素人の私には分からないのですよ。

もしこれが映像なら、目を見開きながら引き込まれる観客や眉をしかめる審査員の表情などをカットバックで挿入すれば、(斬新だけど素晴らしい演奏なんだな)ということが読み取れます。CGを使って「音楽のビジュアル化」のような表現もできるかもしれない。アニメやマンガならもっと分かりやすく、演奏者の体から得体の知れないものを噴き出させたり、大きな字で「な、なんて演奏だ!!!」みたいな心の声を書いてしまえばいい。マンガから映像化された「のだめカンタービレ」では、千秋先輩のナレーションでそういう状況を説明させていたはず。

 

舞台化したメリットはもちろん、小説に出てくる楽曲を生演奏で聴けるということ。

だからこれは、「リーディング=オーケストラコンサート」ではなく、「リーディング<<<<<<<<<<オーケストラコンサート」だと思って臨まなければならなかったのです。

オーケストラのコンサートとしての完成度がどうだったのかは音楽素人の私には分かりませんが、こういう機会でもなければオーチャードでオーケストラの演奏を聴くことなどなかったと思うし、オーチャードのセンターでソロを歌う我らのセンターは誇らしかったし、最後の挨拶で日本語ぼろぼろの座長はいつものはっしーだったし、また、知らない作曲家のことを知ることができたという収穫もありました。

 

第2幕でプロコフィエフという作曲家の曲が2曲続けて演奏されます。正直、誰? だったのですが、1曲目の「ピアノ協奏曲第3番 第1楽章」という曲を聴いて、なぜか観たことのないはずの映像が浮かんできました。走る機関車、その中で誰かの命を狙う暗殺者とそれを阻止しようとする男……というサイレント映画のような映像。曲調が変わっても別のモノクロの映像が浮かんできます。2曲目の「ピアノ協奏曲第2番 第4楽章」でも同じでした。続く主人公が弾(いていることになっている)バルトークでは何も感じることはなかったので、やはりプロコフィエフだけに何かがあるみたいです。それがとても不思議な印象に残りました。バレエ音楽も作曲しているようなので、とりあえずその映像を観てみるつもりです。

 

蜜蜂と遠雷 音楽集

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