宝塚歌劇 月組公演 Musical「舞音-MANON-」~アベ・プレヴォ「マノン・レスコー」より~/グランドカーニバル「GOLDEN JAZZ」 2016/1/14夜 感想
宝塚にまた行ってきました! 特に選んだ訳ではないのですが、再び月組です(組ごとの特徴とかはよくわからない……)。
今回はショーのテーマが“JAZZ”と聞いて、見たいなーと思いつつ、ミュージカルはアジアンテイストということで、もしかして退屈かも……と危惧していたのですが、結論から言うと素晴らしかったです!
Wikipedia先生によると原作は、フランスの騎士が美少女と駆け落ちして破滅するファム・ファタールものとのことですが、宝塚版は20世紀初頭のフランス領インドシナが舞台。植民地支配や独立運動など社会背景も盛り込んだ重層的なストーリーでした。脚本も伏線が適度にあって、単純すぎず複雑すぎず、見ごたえのある内容でした。
主人公シャルルの心理を表現する“もうひとりのシャルル”というキャラクターがあり、私は観劇前にパンフレットに目を通していたのですぐ把握できたのですが、完全に初見だったらすぐ理解できたかな? と少し感じました。
舞台装置は“竹”、衣装はスンッとしたアオザイ、登場人物の多くは黒髪という、あまり宝塚っぽくないビジュアルだったのも、ど新規の私にはとっつきやすかったかも。活動家と支配階層が対立するシーンはあまりに色味がなく、普通の社会派の演劇を観ているかのように感じました。
あと特筆しておきたいのは、提灯を使ったお祭りのシーン。アジアっぽさを感じさせるシーンで、とても美しかったです。
「GOLDEN JAZZ」では観客がタンバリンを叩いて参加していいことになっていて、グッズショップで公式タンバリンを販売していました(私が観劇した日は完売で、代わりのおもちゃのタンバリンを売っていました)。
すごいなあと思ったのは、二部が始まる直前になると客席の色んなところから(シャンシャン……)とタンバリンを準備する音が聞こえてくるのに、ミュージカル中に鳴らすような人がひとりもいなかったということ。
でもやっぱり客席でタンバリン鳴らされると、まあまあうるさいよね。
ジャズと言っても様々な種類があり、ディキシーや黒人音楽のルーツ的なものやゴスペルなど多彩な楽曲があって、演目の幅の広さを感じました。
いちばんテンションが上がったのは「Sing Sing Sing」! 期待通り、圧巻の群舞でした。
でもなあ、タキシードがなんで紫なの……。
群舞のタキシードは黒か白がいい……。
アフリカの民族音楽っぽいシーンは衣装が遠目(安定の二階後列)からは和装に見えて、(もしかして竜退治する……?)と不安がよぎりました*1。
しかし、タンバリンの件では(さすが宝塚のお客さん……!)と思っていましたが、なぜか二部になると前のお客さんがやたら前のめりになってイライラしました。前のめりに対する注意は日生劇場のスタッフが日本一や!
*1:帝劇の余波